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ドクターを慕って 富豪一族:知られざる相続人 I

ドクターを慕って 富豪一族:知られざる相続人 I


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン・ディザイア シリーズ: 富豪一族知られざる相続人
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アン・マリー・ウィンストン(Anne Marie Winston)
 ベストセラー作家で、“ロマンス小説界のオスカー賞”ともいわれるRITA賞の最終候補者にもなった経歴を持つ。赤ん坊やあらゆるタイプの動物、これから開花しようとするものすべてを愛し、執筆活動以外の時間は、子供たちの運転手や読書をして過ごす。ちょっとした刺激ですぐに踊りだしてしまう陽気な性格。庭の手入れは、雑草で太陽が見えなくなってからするという。

解説

 看護師のアリソンはドクターのケインを慕っているが、彼は富豪一族の一員で、雲の上の存在だ。ただ仕事の苦労や悩みを聞いてあげることだけが、彼女にできる唯一の愛情表現だった。ある日、いつもより深刻な顔をした彼を見て、アリソンは自宅に招いて話を聞くことにした。だが、彼を慰めるうちに、純潔を捧げてしまう。気まずさから縁を切られることを覚悟した彼女をよそに、ケインはあまりにも衝撃的な言葉を言い放った。「僕と結婚してほしい。君を妊娠させた可能性もあるから」

 ★富豪一族シリーズ新シーズンが今月よりスタート! 今まで存在を知られていなかった、フォーチュン家の血統を受け継ぐ者たちが次々に発見されます。D.パーマーの『テキサスの恋』新作の冒頭を巻末に掲載しています! ★

抄録

「よかった」ケインは彼女の言葉を聞いて、たちまちほっとしたが、それに気づかないふりをして、先を続けた。「建築家と相談して決めた最終結果に満足しているんだ。主寝室のほかにベッドルームが五つあるから、子供たちにはじゅうぶん場所がある」
「子供たち」アリソンはつぶやいた。彼女は自分の声が憧れと驚きでうずきそうなほどであることに気づいているだろうか、とケインは思った。「いまだにこの現実を信じられないわ」
「子供は何人欲しいか、考えたことはあるかい?」
 アリソンはその問いに答えるかのように、やさしく夢見心地の笑みを浮かべ、その視線はケインを通り越して、彼には思い描くことのできない別世界へと向けられていた。「各ベッドルームに一人ずつ、少なくともね」
 ケインはアリソンに近寄り、ワイングラスを手渡すと、彼女の頭のうしろに手をまわし、たっぷりと豊かな髪の中に指を差し入れて、顔を上向かせた。「だとしたら、かなりたくさんの子供たちだね」
 アリソンは額にしわを寄せ、ケインの目をさぐるように見た。「多すぎる?」彼女はうつむき、続けた。「あなたの言うとおりだわ。私は――」
 ケインはあふれそうになる言葉をアリソンにキスすることでとどめた。やがて唇を離して、はっきりと告げた。「子供が多いのはいやだなんて言っていないよ。家中、子供であふれかえったら、きっとすごいだろうなって思っているだけだ」
 アリソンの目がぱっと明るくなり、幸せのあまり、そのエメラルド色がいっそう鮮やかに輝いた。ケインは彼女のやわらかなヒップに手をかけた。
「明日、仕事は休みだったよね?」
 アリソンは彼をじっと見ながら、うなずいた。「ええ。明日から三日間、仕事はないわ」
「よし」ケインはアリソンにキスをしてから体を離した。「今夜はここに泊まって、明日は君の荷物を移しはじめよう。そうすれば、君は家を借りつづけなくてすむからね」
 アリソンの両眉が上がった。「急ぐのがいいことだと思っているのではないでしょうね?」
 ケインは肩をすくめた。「待つ理由はなに一つない」
「そのうえ、相手の意見など聞かなくてもいいと思いこんでいるようだわ」言葉とは裏腹に、アリソンはかすかにほほえんでいる。
「すまない。何年も医者として命令してきたせいだろうな」
「あら、そうかしら。私はだまされないわよ。あなたの生まれつきの性格だわ」
 ケインは顔をしかめた。「君は僕の妹ともきっとうまくやっていけるよ」
 アリソンはまたもや恐怖に駆られた顔を見せた。「今夜、妹さんも見えるのかしら?」彼女の元気はみるみる萎えていくようだ。
「いや、母だけだ。妹と会うのはまた別の日にするつもりさ」
 だが、アリソンはなおも不安そうな顔をしている。「このことをどう説明するの?」
「説明ってなにを?」アリソンは大きく見開いた悲しげな目でケインを見あげている。ケインは彼女を腕の中に引き寄せ、やさしく抱きしめたいという衝動に強く駆られた。
「わかっているでしょう」彼が重要な点を見逃しているかのように、アリソンはゆっくりと話した。「このこと。つまり……私たちのことよ」
 ケインにはさっぱり見当がつかなかった。「なんの話をしているんだ?」
 アリソンは真顔になった。「ケイン、あなたってどこまで鈍いのかしら?」彼女はため息をついた。「あなたはハンサムで魅力的な男性で、そのうえ医師でもあって、しかもフォーチュン家の一員だわ。誰も私があなたの結婚相手にふさわしいとは思わないでしょうね。私は……」彼女は力なく身ぶりで表した。「モデルでも女優でも社交界の華でもない、どこから見ても平凡な女なのよ」アリソンはケインから顔をそむけようとしたが、彼はそのウエストをぐっとつかんで、彼女が彼と顔を合わせざるをえないように押さえつけた。だがそれでも、アリソンは顔をそむけた。
 ケインは一瞬、なんと返事をすればいいのかわからなかった。「僕の名字がフォーチュンだからという理由で、僕がなんらかの意味で人に知られた女性と結婚しなければならないとでも思っているのかい?」
 アリソンは唇を噛んだ。「私がなにを言いたいか、わかるでしょう」
「いいや」ケインはいっさい口をはさませないという口調で応じた。「僕にはわからないな。母は女優になるのに憧れながら、二十年間、ウエイトレスをしてきた。いとこはおじの家政婦の娘と結婚し、妹の相手は警官だ。実際は保安官だが、似たようなものさ」
「あなたは私と四年間いっしょに仕事をしてきたけれど、実際には私なんか気にもかけなかったくせに」アリソンは指摘した。
「たしかにね。きっとおかしな薬でものんでいたに違いないと今は思っているよ」ケインはつぶやくように答えたものの、この事態を切り抜けられそうもないとがっくりしていた。
 とっさに口から出ただけの言葉だったが、ケインがアリソンの美しさによせて詩をうたいあげたかのように、彼女の目は輝きをおび、口角の下がっていた口元にためらいがちのかわいい笑みが浮かんだ。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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