『dada』さんのレビュー

次の20件 →

オーガスタに花を 著: ベティ・ニールズ 翻訳: 山本みと


★★★★☆ 4
ヒロインは23歳看護師、ヒーローは33歳オランダ人医師。赤毛でキュートなヒロインに一目で運命的なものを感じ、積極的に口説くヒーロー。花束、メッセージカード、偶然を装い再会を重ねる、ロマンティックなディナー等々、セオリーに則ってアプローチされているのに、なぜか愛されていないと頑なに思い込むヒロイン。このヒロインの不思議なところは、看護師という職業であるにも関わらず、ヒーローに関しては事実確認をまったく取らず、あいまいな情報の断片ですべてを決めつけるところです。そんなんで優秀な看護師って、大丈夫だろうか。ということは脇に置いておくとして、予定調和の中での誤解をいかに楽しめるか、というのが本作の肝だと思います。口説くヒーロー、逃げるヒロイン、という図式がお好みの方に。 (2013-07-12)


謎めいた後見人 著: ゲイル・ウィルソン 翻訳: 下山由美


★★★★☆ 4
ヒーローが徹底的に誠実で優しい。戦争の後遺症で安静にしていなければならないのに、ヒロインを救うために何度も危険な目にあい、深手を負います。こんなに床に臥せる描写が多いヒーロー初めて見ました。まさに守護者、見守り系ヒーロー。独身男性が、付添人を用意せずに、年頃の独身女性と二人きりで馬車に乗ったり、宿に泊まったり、一つの部屋に二人きりになったり、ましてや同居したりするのはいかがなものか、とか、ヒロインの思考がアメリカ人っぽすぎると感じるところとか、気になるところはあったけれど、全体的には切なくしっとりして、好みの作品です。ただし、大きな地雷要素があります。事前に感想ブログ等にて確認しておくことをおすすめします。 (2013-07-10)


ガラスの靴はなくても 著: ベティ・ニールズ 翻訳: 片山真紀


★★★★★ 5
ヒロインは29歳の看護師長で、小柄で地味。控えめでしっかりものだけど、時々感情にかられることもある。ヒーローは38歳、オランダ人医師。面食いでやもめ。読んでいて、ヒロインへの愛情を感知するのがものすごく難しかった。無自覚系なので墓穴もほりまくります。若くて美人のヒロイン妹にはデレデレしてたのに、妻となったヒロインには素気ない態度だなんて! なんだこいつ! と腹立たしく感じつつ、ひたすら辛抱するヒロインにどっぷり浸れます。ヒロインは自分の容姿については、完全にあきらめているけど、それ以外でできることには積極的に取り組んで、良い妻となるために全力を尽くすところが魅力的です。 (2013-07-06)


罪深きワルツ 著: ポーラ・マーシャル 翻訳: 米崎邦子


★★★★★ 5
立場の逆転現象や、対比を描くのが巧みな作者の筆が冴えわたっています。当時の社会情勢が上手く盛り込まれていて、最後まで気をそらさない展開はさすが。深刻なはずなのに、どこか滑稽で喜劇的な明るい雰囲気。実際的で冷やかに見えるヒロイン。一見、財産狙いの優男に見える極貧ヒーロー。お互いにつらい過去がありますが、それとは違う苦労の存在を知ることで、二人とも大きく、深く成長していくところも魅力的です。コミックス版もおすすめです! (2013-07-04)


ケーキで恋を 著: ベティ・ニールズ 翻訳: 加藤しをり


★★★★★ 5
ヒロインは看護師の研修を終えたばかりの23歳、ヒーローはオランダ人の外科医で35歳。母親から「ファニーフェイス」と評された顔立ちで大柄なヒロインは、容姿にかなりのコンプレックスを持っています。そんな彼女がマル島で一時的に隠遁生活をおくっている、偏屈なヒーローと出会います。ヒーローは一時的に目が見えなくなっていることもあって、非常に激しやすい状態ですが、心身共に逞しいヒロインは彼の怒りには動じません。その代り、誇り高く率直なので、安っぽい同情にうんざりしていたヒーローは、本当の意味で愛情深いヒロインに心打たれるのです。劣等感から自分は不美人だと繰り返すヒロインにたいして、ヒーローがどんなふうに心酔していくか、ぜひ読んで確かめて欲しいですね。のちの子沢山が確信できる、情熱的なメロメロヒーローですよ。ヒーローの性格がおこりんぼな分、変なライバルや厄介な身内などは登場しないので、安心感もばっちりです。 (2013-06-29)


夏の気配 著: ベティ・ニールズ 翻訳: 宮地謙


★★★★☆ 4
ヒロインは看護師見習いの22歳、ほっそりとスタイルは良いけれど、顔立ちは平凡。ヒーローは32歳、田舎の開業医でイギリス人……と思いきや、オランダ人とのハーフです。ヒロインは最初から最後まで苦労し通しだけれど、話の前半はそれなりに順調で牧歌的に進みます。ところが恋のお邪魔虫が現れたあたりから、むくむくと積乱雲が現れたかのようにきな臭い雰囲気になっていきます。そうか、これが夏の気配なのね。ベティらしい、こまごまとした生活描写には毎度のことながら引き込まれますが、嫉妬させたくて昔なじみの女性をへばりつかせておくヒーローには減点せざるをえませんでした。これは単に個人的好みの問題なので、そこが気にならないなら、いつものベティクオリティなので、読み応えは充分だと思います。 (2013-06-29)


デイジーの小さな願い 著: ベティ・ニールズ 翻訳: 大島ともこ


★★★★★ 5
オランダ人医師のヒーローは35歳、婚約者有り。ヒロインは骨董商見習いの25歳で、無口で穏やかな性格です。偶然の出会いを繰り返していくうちに、少しずつ心をそわせていく二人。甘酸っぱいです。ヒーローの心理描写がたっぷりあるので、ベティ作品に散見される婚約者有りヒーローはこういう考え方をしているのか、という回答用として最適の作品だと思います。慕情をひたすら押し隠すイギリス娘を前に、何度もあきらめようとしては引き寄せられてしまう、愛情ダダ漏れヒーローをご堪能ください。 (2013-06-27)


月明かりのタバサ 著: ベティ・ニールズ 翻訳: 森香夏子


★★★★☆ 4
ヒロインは少し意固地で好き避けするタイプ。そんな彼女に一目惚れしたヒーローは、最初こそ年上の余裕で見透かした態度をとりますが、どうストレートに口説いてもかわす彼女に少しずつ手をこまねいていきます。いつものベティヒーローらしく外堀はきちんと埋めていきますが、それさえも逆効果に……ぷぷぷ。具体的な描写ではありませんが、何か所か、ヒーローが心身ともに高ぶってしまったな、と感じる場面があり、ちょっと驚きました。ヒロインの継母と義妹の意地悪さは、底が浅くてパンチが弱いなあ。その代り、脇を飾る高齢男性二名がとても素敵。上司のレイナードは、ヒロインは着飾れば華やぐと考えており、片や患者のバウ老人は、そのままでヒロインは充分美しいのだと考えています。どちらも真実なのでしょう。 (2013-06-26)


あの夜をさがして 著: ダーリーン・スカレーラ 翻訳: 山口絵夢


★★★★★ 5
とても静かで、地味な話です。因習にとらわれた南部の牧場を舞台に、才能を秘めた荒馬をとりまく人々の過去と現在を、巧みに描き出しています。一貫して感傷的、かつ哲学的な雰囲気につつまれています。ヒロインは愛情深く、忍耐強く、ひたむきで頑固な南部女です。厩務員という職業にぴったりな、美しくも地味なヒロイン。それに輪をかけて地味な生真面目ヒーローが、ひたすら辛抱と葛藤を繰り広げているので、人によっては、情熱を感じにくく、退屈に思えるかもしれません。どちらかといえばヒューマンドラマ、感動系ではないでしょうか。個人的には、ヒロインが嘘をついたり、秘密を抱えていたりする話はとても苦手ですが、この作品ではまったく気になりませんでした。コミックス版もすばらしいので、合わせておすすめします。 (2013-06-24)


情熱はほろ苦く 著: リン・グレアム 翻訳: 田村たつ子


★★★★☆ 4
細かく設定は用意されているみたいなのに、書き込みがあまくて全体的に話が駆け足で、ダイジェスト版みたいな印象でした。せっかく用意した仕掛けもいくつか不発でものたりない。でも、面白いんですよ。ただ、印象に残る場面がないので、さらりと楽しく読み飛ばせてしまう話です。ヒーローのセリフの語尾が、物柔らかな訳し方なので、きついことをしゃべっていても傲慢には感じられなくて、軟弱な雰囲気なのが気になりました。ソフトなヒーローがお好みの方には良いかもしれません。 (2013-05-15)


愛のソネット 著: ステファニー・ローレンス 翻訳: 鈴木たえ子


★★★★★ 5
謎解きも、ライバルの存在も、事件も何もなく、物語の最大の出来事といえば、ヒーローとヒロインの感情のすれ違いだけ、という話です。その分、荘園での暮らしぶり、社交界での様子、上流階級の女主人がどのように采配を振るうのか、といったことが、細やかに描かれています。多少の誤解やすれ違いはあっても、変な拗れ方はしないし、罵り合いもないので、読み心地が良いです。とっても甘口。上記の通り単調に見える内容なのに、巧みな感情描写のおかげで、だれずに最後まで楽しく読めました。 (2013-05-14)


未熟な淑女 著: マーゴ・マグワイア 翻訳: 小長光弘美


★★★☆☆ 3
設定は興味深かったんですが、ヒーローの抱えている問題も中途半端な気がしたし、ヒロインの能力も生かし切れていない感じです。全体的にあいまいな雰囲気だし、話の進行はゆっくりだし、なぜか乗れずに、読むのがすごく大変でした。全体的にうわすべってる感じで、……単に私との相性が悪いだけかもしれません。とにかく、地味な印象です。筆者の作品は中世物の方が好きです。 (2013-05-12)


公爵のためらい 著: マーガレット・ムーア 翻訳: 田中淑子


★★★★☆ 4
身から出た錆びの塊みたいなヒロインで、苦しんではいるけど同情する気になれませんでした。親の行動のせいで、散々身の置き所のない思いをしてたのに、自分が同じことしてどーする! ヒロインに対してかなり辛口評価ですが、気立てはいいんですよね、この女性。惜しい。片やヒーロー。義務による結婚の決意はしたものの、愛情あふれる幸せな家庭を夢見ずにいられない、彼のほろ苦い憧れに涙をさそわれます。どんなにヒロインに拒まれようとも、決してあきらめないヒーローの頑張りに、星ひとつおまけです。 (2013-05-12)


ジェイン・エア 著: シャーロット・ブロンテ 翻訳: 南亜希子


★★★★☆ 4
話がごっそりと要約されていて、平均的ヒストリカル作品より短めくらいでした。ヒーロー・ロチェスターの抱える秘密の禍々しさに、少々及び腰だったので、短縮版で試せて良かったです。不幸な生い立ちのヒロインは、不屈でしなやかな心の持ち主です。環境が彼女をそうさせた、というより、もって生まれた資質がそうさせたという印象を持ちました。序盤から慈善院を出るまでのくだりがあまりにも面白くて(悲惨で)、家庭教師としての生活が始まったことにがっかりしてしまったくらいでした。ジェインとロチェスターとの会話には、印象深い言い回しや、含蓄のある言葉がたくさんあって、いくつもハイライトを引きました。この作品世界にすっかり魅了されたので、この次は完全版を読みたいと思います。 (2013-05-11)


高慢と偏見 著: ジェイン・オースティン 翻訳: 田中淳子


★★★★★ 5
会話が多くて、全体的に駆け足な印象ですが、それだけにテンポが良く、最後までだれずに一気に読めました。95年制作のドラマを見て、自分の中に映像の底上げをしてから読んだので、余計にスムーズに楽しめたのだと思います。なんといってもヒーロー、ミスター・ダーシーが魅力的ですね。傲岸不遜な男が、初めての愛に突き動かされてプロポーズし、それまでの酷い態度の報いをぴしゃりと受ける場面は、なんとも痛快で哀れです。そしてその後の挽回がすごい。ミスター・ダーシー、がんばった。えらい。ヒロイン側にほとんど動きがないのは、作品が書かれた時代を考えれば納得できることです。 (2013-05-08)


幸せを運ぶ求婚者 著: エリザベス・ロールズ 翻訳: 鈴木たえ子


★★★★★ 5
ヒロインにかなり痛ましい過去があります。そのせいで、ヒーローの愛を拒まなくてはならないヒロインの葛藤と絶望が、しみじみと伝わってきます。ヒーロー、ヒロイン共に堅実で人柄がよくて、とってもお似合いなので、簡単に結ばれないことにやきもきしました。ヒロインの父親が絶望的なほどの屑なので、ヒロインの兄が高潔な青年なのが不思議なくらいでしたが、ヒロインに立派な兄がいてくれて、本当に良かったと思います。読んでいて何が良かったって、諍いがあっても、必ずお互いを思いやるが故で、我の押し付け合いにはならないところです。不愉快なエピソードが多く含まれているのに、読後感が良いのは、物語全体が、思いやりと愛情に満ち溢れているからだと思います。 (2013-05-07)


愛の革命 著: ポーラ・マーシャル 翻訳: 正岡桂子


★★★★★ 5
とっても裕福なのに、堅物すぎて、友人としては望ましいけれど、夫にするには退屈すぎる、と女性陣から敬遠されているヒーロー。もてないヒーローですよ。まさに希少種です。水際立ったハンサム、というわけでもないし、服装も地味すぎて冴えない。そんな彼が、社交界の華ともいえる公爵未亡人のヒロインと出会って恋に落ちるのです。時期を同じくして、陰謀に巻き込まれ、それまで自分でも知らなかった、正義感からくる不屈の精神に目覚め、頼もしい男性へと成長していきます。ほとんどヒーロー視点で話が進み、事件の捜査がメインで、ロマンス要素は添え物程度、ということを承知して読んだ方がいいと思います。ヒロインは快活で、ポーラ・マーシャルらしい自立心旺盛な美女。未亡人設定ではありますが、実のところ……想像通りです。でも納得しやすい展開にはなっていました。忌まわしい事件が中心となっていますが、主役二人が微笑ましくも爽やかなので、読後感のいい仕上がりになっています。 (2013-05-05)


じゃじゃ馬と公爵 著: ジャッキー・マニング 翻訳: 石川園枝


★★★★★ 5
ライバル的存在が、案外早く、しかもあっさりと退場してしまったのは拍子抜けしました。もっと引っ掻き回してくれそうなワクワク感があったので、残念です。それから、ヒロインが過去に陥れられた出来事ですが、動機が甘いので、もうちょっと掘り下げて欲しかったです。ただし、私が癖の強い作品の方が好きだからそう感じるのであって、お邪魔虫はすぐに消えて欲しい、と思う方には丁度いいさじ加減でしょう。タイトルに「じゃじゃ馬」とあるけれど、ヒロインは勝気ではありますが、ちっともじゃじゃ馬ではありませんでした。このヒロインのように、人を許すことができるなら、幸せでしょうね。多少の物足りなさはありつつ、それ以外の要素での満足度があまりにも高いので、満点評価となりました。 (2013-05-05)


強いられた結婚 著: ルーシー・モンロー 翻訳: 苅谷京子


★★★★★ 5
女性特有の生理的、身体的な悩みや問題は多々あり、たいていの場合、自分を罰し、誰にも相談できず、価値のない存在だと思い込みがちです。この作品のヒロインもそうです。そんな彼女は、寛容で忍耐強いヒーローと結ばれることで、初めて、自分を無価値な欠陥品などではない、と思えるようになります。ただし、ヒーローの忍耐と努力だけではだめで、最後はやはり、ヒロイン自身が自分に向き合う勇気を持ち、相手を信頼することが何より大切だということが、しっかり描かれています。五つ星は、ロマンス小説としての面白さに対してというより、作品の重要性に対して捧げます。巻末の作者のメッセージには一読の価値があります。 (2013-05-02)


さよならを告げぬ理由 著: ベティ・ニールズ 翻訳: 小泉まや


★★★★☆ 4
ヒーローはイギリス人医師。ヒロインは派遣看護師です。若い女性に熱を上げられ、纏わりつかれることに慣れているヒーローは、最初、ヒロインに素気ない態度をとります。ところが、浮ついたところのない思慮深いヒロインは、常に冷静に対応します。一見、地味で目立たず控えめなヒロインは、意志が強く、頑固で怒りっぽい面もあります。そんなヒロインを知るにつれ、惹かれていくヒーロー。優しくしたと思えば素気なく離れようとする。なのにヒロインから避けられると冷やかに激怒するのです。ヒロインにうまく接せられずじれている様子が面白いです。ヒーローには婚約者はいませんが、ガールフレンドがいます。この女性が香ばしい言動で盛んにマーキング行為を行うので、ヒロインの態度がますます頑なになって、拗れるのです。わかりやすくて楽しいです。 (2013-05-02)


次の20件 →