烈日の残影』のレビュー

トータル評価 ★★★☆☆ 3(3)

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★★★☆☆ 3

AnnaRoseさん
2013-06-25
当たり外れのある作者です。残念ながら本作はハズレでした。この作者の作品はかなり読んでいますが、基本「お仕事もの」を書かれる方で、本作もしっかりとした造りの作品です。問題は雑誌掲載作品とそれとほぼ同じ長さの書き下ろしとオマケというページ数の制限にあると思います。表題作の「烈日」で二人は出会って、お相手の弁護士は乗り気でないものの弁護を引き受けて、どうして検事を辞めたのかを主人公に話して、検事時代の元カレに再会して、引き受けた案件を公訴取り消しに持ち込んで、その合間に主人公の秘書と恋仲になります。ページ数の割に内容が多すぎるのです。ですから必然的に、訴訟部分はあっけないくらいに簡単に片付き、検事を辞めて弁護士にならざるを得なかった葛藤が超特急で語られ、恋愛部分もあれよあれよという間に両想いになります。次の書き下ろしの「向日葵」は主人公が受験する司法試験がどれだけ大変かという事に終始しています。民事の案件は抱えていますが、あっけなく解決します。最後のオマケはオマケらしく短いオマケでした。表題作はプロットが良かっただけにとても残念です。書き下ろしを足してのノベルズ出版ではなく、加筆して1冊にして欲しかったと思いました。十分できる内容です。また「向日葵」も司法試験以外の事を書くページ数があれば、読み応えのある作品になっていたでしょう。この作者の他の作品にもページ数と内容が釣り合っていないものが多々あり、出版社の意向でかなり損をしていらっしゃると思います。本当にお気の毒です。最後になりましたが、「烈日」は2003年に雑誌掲載、紙の本での出版は2004年ですので、当時と今では法曹関係の事情、特に司法試験制度はかなり異なります。