恋は苦く密やかに』のレビュー

トータル評価 ★★★☆☆ 3.3(3)

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★★★★★ 5

ルーシーさん
2014-12-28
私が今年一番読み返した本です。なんと言っても、主人公二人の人物設定が良い。柚岐村は根暗な誘い受けかと思いきや、実は有能な探偵で昔は恋人を一途に愛してた男です。対する狩谷は快活で正々堂々と告白するのですが、実は深い心の傷を負っているという、この二人の「実は…」という二面性が大人の男の苦味を醸し出しています。尚且つ、乾いた日常風景の描写が更に苦味を追加しています。私が特に好きなのは柚岐村の部屋の描写で、業務用机に柚岐村の自分の幸せへの否定を感じました。他のレビューさんは敬語とタメ口が入り混じっている部分を指摘されてますが、私は気になりませんでした。むしろ、柚岐村の狩谷に対する心の揺れを表現していて上手いなと思いました。私も社会人になって上下関係の無い場で会った人とは、こんな風に敬語とタメ口を同時に使いつつ相手との距離感を測る事は良くあるので。確かにBLでこの話し方は珍しいかもしれないですね。とにかく、大人の男の恋愛が読みたい方、少し粗い画面の邦画の雰囲気が好きな方にはお勧めです。

★★☆☆☆ 2

AnnaRoseさん
2013-06-30
主人公は元警察官で、今は弁護士事務所や保険会社から調査の依頼を受ける探偵です。お相手は元報道カメラマンで、自分の写真館を開いたところです。2人の出会いは粗筋にあるように、写真家がある女性を探して欲しいと頼んだことですが、主人公の探偵は依頼を断ります。それでも同じ建物に出入りしていますし、2人ともゲイですから遊びに行った先(探偵の方は仕事でしたが)でもバッタリと、成り行きのような、そうでないような形で関係を持つようになります。探偵の方は警察官を辞める原因となったある事に囚われたままで、自虐的で自己破壊願望あり。写真家の方も通信社の仕事を辞めるきっかけとなったある事を背負ったままです。もちろん2人ともその事については口にしません。だから相手を深いところまで踏み込ませたくないので、恋人ではなくセフレになります。ところが探偵は仕事がらみから、写真家の重荷を知る人に出会います。そこからいろいろ調べて行って、写真家も重い口を開き、過去は変えられないものの、一応の心の区切りはついたようです。探偵も泥沼のような警察を辞める原因について話します。こちらは話してもどうにもならない内容です。そして「お互い背負うものがあるけれど、2人で生きて行こう、愛してる」でおしまい。悪いお話ではないのですが、どうも詰めが甘い感じがして、スッキリしない読後感です。写真家の方は良いのです。お話が進む中で、何が問題なのかが少しづつ明らかにされて、その問題の内容と本人の言動が一致しています。ところが探偵の方は悩み方が足りないというのでしょうか、ものすごい事なのにこの程度ですかという感じがして、重荷を背負って絶望している自分に自己陶酔している感もあり、探偵として有能なのは認めますが、私はこの探偵の描かれ方は嫌いです。また写真家に話す時の文末が「です・ます」と「だ・である」が混じっていて、とても読みにくいです。なぜこんな話し方をさせたのでしょうか。プロットは悪くないのに、描き方が勿体無いと感じた作品です。

★★★☆☆ 3

ゲストさん
2011-11-22
イラストに助けられた作品ではないでしょうか。受の姿がキレイかつカッコイイです。でも肝心の小説の方は攻と受の性格が安定してない気がして残念でした。会話文に違和感があります。攻と受が丁寧語で会話しているかと思えば、次から片方が急にタメ口になったり、またいつの間にか丁寧語に戻ってたりを繰り返してるのが原因かと思いました。