『シンデレラの出自』のレビュー

リン・グレアムらしい踊るような台詞を、堪能できる作品。冷たく傲慢に見えるヒーローの『淋しさ』を、ここまでていねいに書けるのは、さすがだと思う。２人に共通する家族の『絆』を、連続テレビドラマにすぐなりそうな完成度で、文章にできる作家は、なかなかいないと思う。どうしても彼の心模様の移り変わりを重点に、わたしは読んでしまうが、この物語の中で一人は共感できる人物がいると思うので、その人物の視点で読むのもいいのではないか。もし続きを書いてくれるのなら、ぜひお願いしたい！！

自分はクールだと周りにも自分自身にも思い込ませているヒーローが、頭に浮かんだことをそのまま口にする（ある意味何も考えていない）ヒロインに、ぶんぶん振り回されるお話。映画でいうと、ロマンティックラブコメディに分類されるのではないでしょうか？安心してにんまり笑いながら読めるお話だと思います。

２人の会話が楽しく最後まで必死になって読みました。ヒロインが可愛くて仕方ない様子のヒーローが愛や結婚、子供は不要だと言いながらヒロインに振り回され愛に気付くと言うお話でとても安心して読めました。面白かったです。