犬とロマンス』のレビュー

トータル評価 ★★☆☆☆ 2(1)

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★★☆☆☆ 2

AnnaRoseさん
2016-07-07
初めて読む作家の作品でした。経験もなくコネもない、司法修習を終えたところの弁護士に、反社会的団体とは言え大きな団体が顧問を頼むわけがないとか、当人も受けるわけがないとか、この点をまず乗り越える必要がある設定です。また新人弁護士と未経験者の事務員の2人で仕事が回っているという点にも目をつぶる必要があります。さらっと淡々とした文体で書かれています。段落が変わると数ヶ月経っていて、その間に主人公がぶつぶつ独り言を言っている感じですね。お相手に襲われた後も一人でぶつぶつ言っています。初めての時を除くと、とても礼儀正しいお相手です。不器用なお相手が「先生、お慕い申し上げております」と「先生、あなたをお守りできなかった」という大変よくあるタイプのお話です。お相手が負傷したあたりから主人公が拉致されて、かなりバイオレンスな展開ですが、その割りにあっさり片付きます。このバイオレンス展開あたりから脇役が出張ってきていますが、他の作品の主役だったのでしょうか。伏線も何もなしに突然現れて大活躍です。もともと同人誌で5年かけて書かれていた作品の一部が出版されたとのことだったのですが、一般書店に並ぶ作品を購入する読者が、自分の同人誌を読んでいない可能性が大である事を作者は理解される必要があります。初期設定に問題はありますが、淡々とした語り口でよい感じと思っていたのに、事件が起こってから大きく減速しました。大変残念です。