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渋谷呪殺堂

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内容紹介
自殺した由佳の最後の手紙。そこには「一人の男を呪い殺してもらうよう、渋谷のある店に依頼してほしい」という内容の遺言が綴られていた。自称地味な女子高生の加藤瞳は、手紙に添えられた地図を頼りに、不慣れな渋谷の街へと足を運ぶ。行き先はアンティーク・ショップ「寿刹堂」。由佳によれば、そこは裏で「呪殺堂」と呼ばれる、憎い相手を呪い殺してくれる店らしい。どうせ単なる都市伝説だろうと半信半疑の瞳だったが、地図が示す路地裏の一画に、その店はあった。実は、瞳には人が死んだ場所や怨念のこもった場所を見抜く霊感がある。その感覚が「ここは絶対によくない場所だ」と拒絶する。だが、死んだ友人の無念を晴らすためと、瞳は意を決して店内に足を踏み入れる。
「いらっしゃい」
若者とも老人とも知れぬ低い嗄れ声。振り返ると、幽鬼じみた白髪に、仮面のような無表情、そして右目だけが青い虹彩異色症《ヘテロクロミア》の瞳。そこには、一種異様な容貌と空気を持つ呪殺堂店主「水無月」がいた。水無月に底知れぬ禍々しさを感じつつも、しだいに彼の世界に引き込まれていく瞳。この男なら、本当に由佳の無念を晴らしてくれるかもしれない。そう確信した彼女は、改めて水無月に由佳の仇の呪殺を依頼する。呪いの本当の恐ろしさを、知りもせずに……。
奇才・梅津裕一が「呪い」の真の恐怖を現代社会の闇からえぐる、異色の書き下ろしホラー!

(※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています)
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