日本国家の神髄

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著者	佐藤優
発行	扶桑社
ジャンル	政治・社会
紙初版日	2014年12月22日
レビュー	3.0 （2人）レビューを書くレビューを読む ⇒レビューを書いてスタンプゲット

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内容紹介

偏狭なナショナリズムが渦巻くなか、愛国者にこそ読んでもらいたい！
長い間品切れだった『日本国家の神髄』、待望の新書版の登場！

そもそも祖国日本とはどのような国なのか？　日本国家を成り立たせる根本原理たる「国体」に関する認識が失われているからこそ、中韓ともギクシャクする。現代日本の生んだ知の巨人が、戦後GHQによって禁書とされた『国体の本義』を懇切丁寧に読み解き、「国体」を明確に呈示する（編集部による詳細な脚注・口語訳も附記）。現下、われわれにとって重要なことは、わが「国体」を再発見することである。

主な内容
＊「国体」は構築できない
＊「日本神話」再確認の必要性
＊「教育勅語」の根本とは＊われわれの抱く「天の感覚」
＊日本は敵対者をいかに統合していったか
＊ナショナリズムを超克する日本の愛国精神
＊「大和」とは何か
＊なぜファシズムはわが国体と合致しないのか
＊出自同じくする日本人と日本の国土
＊祭政教一致の日本
＊超越性における欧米人との差異
＊外来思想、知的遺産の土着化

（※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています）

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3 0 踊る工芸家ネトウヨの見苦しいヘイトスピーチや排外主義に、保守の立場から異議を唱える著者。青山繁晴氏のような詩的で抽象的な文体とは違って、知的で理路整然としている。だが「国の為に命を捧げる」という視野狭窄は、やはりネトウヨと同じ。保守思想家が「人類皆兄弟」と口にするのはたまに聞くが、「人類の為に命を賭ける」は聞いたことがないのは、彼らのアイデンティティがあくまで日本人であることであって、「日本人である前に人間である」という発想が乏しいからなのだろう。結局、彼らの愛の対象は精々「国家」止まりで、「全人類」ではない。著者は国家とそれ以外の社会を別枠扱いしており、国家も「一種の社会であり集団の一形態」に過ぎないという観点がない。もし自分が属する国家を特別視しなければ自身の存在価値に意義を見出せないのだとしたら、彼自身が国家神道や皇国神道に洗脳されている自覚がないせいでもあるだろう。このような人に仮に「将来万が一天皇制が廃止されても、新生日本が誕生するだけで日本が滅ぶわけではないよ」等と教えても、納得させるのは難しいかも知れない。著者によれば「左翼は真理は一つと思っている」らしいが、フランス革命時ならまだしも、今時そんな発想をしているのは某探偵アニメの主人公のフィクションだからこそ言えるセリフを真に受けた子供か、さもなくば「体は大人でも頭は子供な者」だけだろう。もし著者が「真理・真実は一つ」という命題を批判的に見ているなら、その見解は正論だ。現実・事実・真実・史実etcはそれを認識する各人の主観に過ぎず、基準次第で無限に存在するからである。一方、著者によれば「右翼は人間が偏見から逃れることはできないと知っている」そうだが、それが真実ならネトウヨのヘイトスピーチや排外主義はあそこまで醜態化しない。尤もネトウヨを似非右翼・右翼モドキ等と定義するのであれば、別だが。 2021-09-24 4553015 0 0 8qyF-a-v2 cvnEh-%CD%D9%A4%EB%B9%A9%B7%DD%B2%C8-v2